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2022/03/08 09:23

PREBLICの今村です。毎週火曜日に書いています。


さて1950-1960年代のアメリカとイギリス服装について書いてきました。


もう今週で7回目。今回が最後です。2回ぐらいで終わらせるつもりが長くなってしまいました。

自分がモノを作る上で影響を受けたのがこれまで書いたスタイルだったので書いています。


お酒の話のネタにでもなれば嬉しいです。



第1回

https://www.preblic.jp/blog/2022/01/25/131403


第2回

https://www.preblic.jp/blog/2022/02/01/144433


第3回

https://www.preblic.jp/blog/2022/02/08/091427


第4回

https://www.preblic.jp/blog/2022/02/15/092420


第5回

https://www.preblic.jp/blog/2022/02/22/092621


第6回

https://www.preblic.jp/blog/2022/03/01/092353



1950年代後半の初期のモッズは、シャープなスーツにモダンジャズを聞き、1960年代半ばにはモッズがピークを迎え、The Who(ザ・フー)やSmall Faces(スモール・フェイセス)といったモッズを支持するロックを聴くようになりました。

<ジャズ トランペット奏者 マイルスデイヴィス>



<ジャズ ピアニスト デイブブルーベック>



<The Who>


<Small Faces>



そして、仲間内でも特に服のセンスが良かった人間は「Face(フェイス)」(モッズの「顔」)と呼ばれるようになりました。

バンドThe Whoの「I’m the Face」という曲はタイトル通りそれを意味していました。


歌詞には「I'm the face baby, is that clear」「俺がフェイスだ。はっきりしてるだろ」



それから、少し話は逸れますが同じ曲の歌詞の中に「Wear ivy league jackets, white buckskin shoes」

「アイビーリーグのジャケットを着て、白いバックスキンの靴を履いて」とあります。以前書いたモッズがアイビースタイルにも影響を受けていることがこの曲からも分かります。




ちなみにモッズに影響をうけたイギリスのバンドは多くて、若い頃のT.Rexのマークボラン。そしてデヴィッド・ボウイは若きフェイスでした。

<マークボラン>



<デヴィッド・ボウイ>




そして、1960年中頃にはモッズはピークを迎え、数もどんどん増えてきいました。



そして、1964年5月のブライトン。

海辺のリゾート地でロッカーズとモッズの大乱闘が起きます。


ロカビリー、ロックンロール、オートバイ、レザージャケットを好み、ファッションへの関心からモッズを女々しいと考えるロッカーズ。これに対してモッズはロッカーズはロックンロールしか聞かない頭の悪い奴らと認識しており、ロッカーズとモッズは普段から歪みあっていました。

この頃、ロッカーズ自体の数が少数だったこともありモッズが勝利収めました。ただ怪我人や逮捕者も出る始末。

この事件もありスタイルの主流はさらにモッズへと移行していきました。




それで数が増えてくると人は差別化を図るもの。元々は少数でみんなと違うからこのスタイルを選び貫いてきたんですが、主流になってくると周りを見渡すと自分がみんなと同じように見えてしまう。「俺は周りとは違うんだ」と貫いてきたスタイルはいつの間にか浸透しすぎてしまいました。そこで差別化を図るためにどんどんスタイルが細分化していきます。スクーターに特化した人間は『スクーターズ』彼らはミドルクラス出身者が多く服はオーダーものも多かった。



それに対してイギリスに移民してきたジャマイカ人の子孫たちが発展させた『ルードボーイズ』。それに影響を受けたワーキングクラス出身の白人達が時を経て『スキンヘッズ』へと繋がっていきます。

<ルードボーイズ>




<スキンヘッズ>



確かにこうやってみるとどことなくモッズの要素を含んでいることが分かります。



これまでイギリスとアメリカのスタイルについて書きましたが何の脈絡もなく突発的にスタイルは生まれていません。点で見ると確かに他とは違うスタイルで独立しているようにも見えますが、線で見ると確かにどこかの流れを汲んでいてその要素を含んでいます。そして国を何往復もしたり。




最後にこれはビートルズの1959年の写真。左からジョージハリスン、ジョンレノン、ポールマッカートニー。ジョージハリスンとジョンレノンがレザーのテーラードジャケットを着ています。ビートルズもモッズの影響は後に受けてはいるんですが、この頃はまだビートルズがロックンロールやテディーボーイのスタイルに傾倒していた時です。


純粋なアメリカのマーロンブランドのスタイルはレザーのダブルライダース。純粋なモッズはウールのテーラード。これまで語ってきた要素を含んで混じり合ってのこのレザーのテーラード。このスタイルが生まれています。

この写真が一つのきっかけになって自分はレザーテーラードジャケットを作ろうと思い、PREBLICでBUNCHとCORAMが生まれました







<ビートルズ初期のロックンロール時代>



PREBLICのBRANCHやBASEは1950年代前半から後半にかけてのタンナップボーイズやロッカーズ時代に影響を受けて生まれました。






<ビートルズ 中期>



今2022年この時代も時が経った時にこんな風に語られる時が来るかもしれません。


最後までお読みいただきありがとうございます。