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2022/02/01 14:44

PREBLICの今村です。毎週火曜日に書いています。


前回のDiaryで1950年〜60年代のイギリスとアメリカの服装の変化と影響について書きました。前回のDiaryをまだ読んでいない方は先にそちらをお読み下さい。


https://www.preblic.jp/blog/2022/01/25/131403



誰かと飲んだ時の話の種にでもなれば嬉しいです。


さて先週の続きです。マーロンブランド主演の「ザ ワイルド ワン」の影響を受けたイギリスでは独自のスタイルが熟成されていきました。


アメリカ製のレザージャケットは高価だったので自国イギリス製のレザージャケットもしくは合皮のジャケット。バイクもイギリス製のトライアンフ、BSA、ノートンなどに跨っていました。

そしてレザージャケットやバイク以外のトラウザーズや中に着る服装にも違いが生まれていきます。



アメリカの裕福な帰還兵達と違い、「ザ ワイルド ワン」に目を輝かせたイギリスの若者はワーキングクラス出身が多かったので、価格の安い国産のジーンズに高さのあるブーツを履き、シーブートソックスという白い厚手のソックスをブーツの天辺で折り上げていました。元々は同じ影響のスタイルでも国と環境によってこうも変わってくるのはとても興味深いですね。アメリカから入ってきたカルチャーをイギリス独自で熟成させていきます。



ちなみに誰が見ても普通じゃないこの白いソックスは何なのか?



このソックスは、元々古くから船乗りや漁師が防寒のため履いていたものです。素材はウール100%。このソックスの特徴は厚手で膝上ぐらいまで長いんです。寒くて過酷な環境の中とても重宝されていたのがこのソックスですこんな合理的なスタイルから英国海軍や空軍もこのシーブートソックスを履いていました。履き方はまずトラウザーズを履いてその上からソックスを履きますトラウザーズの裾から膝下ぐらいまでソックスで包み入れた後にブーツを履きます。こうやってソックスを履くことでトラウザーズのダボつきを防ぎブーツが履きやすくなります。ただブーツインした時にソックスが長すぎて余りが出るのでブーツの天辺で折り返していました。雨風でトラウザーズのバタつきや濡れるのを防いだり。そして、何より温かい。こういった流れからバイク乗りにもこのスタイルが浸透していきます。


<1940's Vintage Photo>







そして、首元には白いシルクのスカーフ。これも英国空軍が白いシルクのスカーフを巻いていたことに影響を受けてます。パイロットへの憧れはいつの時代も変わらないですね。


<1940's Vintage Photo>





影響を受けたイギリスのバイカーの一人。首元には白いシルクのスカーフにシーブートソックス。



そして、彼らはいつしかコーヒー バー カウボーイズやタンナップボーイズとも呼ばれるように。コーヒー バー カウボーイズの語源は、カフェでコーヒーを飲みながら自分のバイクやレザージャケットを夜な夜な自慢し合っていたことから。カウボーイは、現代のバイク乗りの前世は馬乗りだと言われているからでしょうか




そして、TON UP BOYS(タンナップボーイズ)。語源は、時速100マイル(時速約160キロ)以上のスピードで走ることを”Doing the TON”。その言葉からTON UP BOYSと呼ばれていました。TON UPを訳すと時速100マイルとかスピード狂という意味があります。今のバイクだと時速160キロは簡単に出せますが、当時のバイクの時速160キロは全くの別物です。昔のバイクは現代のバイクほど性能が高くなかったため振動がすごくて命の恐怖すら覚えます。しかも公道で。仲間の前でTON UPできるのはある種男のロマンみたいなものでした。

ちなみに上でも書いた白いシルクのスカーフ。このスカーフはTON UP(時速100マイル)に達したことを意味するとも言われています。つまりTON UP BOYSの証みたいなもの。



そして、1950年代後半から1960年代前半にあのテディーボーイズ達も合流し、数も増えいつしかロッカーズへと呼び名が変わっていきました。




アメリカでのジーンズ、Tシャツ、エンジニアにレザージャケットのシンプルで男らしいスタイル。それに対して独自の変化で少し特異なイギリスのスタイル。こうも違いが出てくるのは感慨深いです。


<アメリカの映画「ザ ワイルド ワン」>



<イギリスのスタイル>



また来週に続きを書こうと思います。




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さて、以前から製作を続けていたレザージャケットが完成しました。

2回に分けてご紹介します。


まずは、BASE zipper lessのパターンオーダー。一瞬CLAMPにも見えますが、身頃の土台はBASEです。襟をスタンドカラーのCLAMPに変更しています。


シンプルな仕上がりですが、お客様の好みを色濃く反映させて作ったパターンオーダーです。


身頃のポケットを両胸ポケットに。



<定番のBASE zipper less>



後ろ身頃は「T字型」の切り返しにしていたんですが、縦のラインを取り除いています。そして、よりシンプルに仕上げるために裾のベルト、バックルも取り外しています。レザーのパネルの切り返しが少ない分レザーの雰囲気をより楽しむことができます。



<定番のBASE>



それから細かいですが、フロントジッパーの始まりを少し高くしています。ジッパーを閉めた時に1番負荷がかかるのはこの始まりの部分。ここを少し高くすることで力が分散されてジッパーへのダメージもすこし緩和させてくれます。



首元にはループを取り付け。



内ポケットは通常から5センチ下に下げています。この位置がお客様にとって1番ものを取りやすい位置でした。





そして、CORAMのパターンオーダー。

バイクに乗る時に着用したいとのことで後ろ身頃にはアクションプリーツを配しています。



<定番のCORAM>



最近、お仕事を勤め上げられたお客様でこれからの時間を趣味のバイクと過ごしたいということで共に過ごす相棒としてご注文いただきました。


そして、バイクに乗るので少しだけカジュアルに寄せたいというご希望から脇にDカンのストラップを取り付けています。

どうか安全運転で。


ご注文ありがとうございました。