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カート

カートが空です

ディアスキンについて

 

PREBLICの今村です。毎週火曜日に書いています。


今回は、PREBLICのレザージャケットの中でも人気の高い「ディアスキン(鹿革)」についてご紹介します。

 

PREBLICで取り扱っているレザージャケットの中でも、ディアスキンは金額的にも1番高価な素材です。それでもなお、多くの方から支持を集めているレザーです。


ディアスキンは「素上げ」と呼ばれる加工方法で仕上げられており、表面に過剰なコーティングを施さず、レザー本来の風合いや質感を活かしています。そのため、自然なツヤ感やしなやかな触り心地が特徴です。


ただし、この「素上げ仕上げ」は、革の持つ傷や個体差を隠すことができないという側面もあります。原皮にはもともとの細かな傷に加え、大きな傷が見られることも珍しくありません。


写真のような大きな傷は裁断時に避けますが、どうしても取り除けない細かな傷がパーツに入る場合があります。



 

鹿は非常に運動量の多い動物で、その分、傷が多く、原皮もあまり大きくありません。そのため、ジャケットの前身頃や袖といった大きなパーツを取るには、複数枚の原皮を見比べながら裁断しています。


一枚の原皮から、大きなパーツを一つも取れないことも、実際にあります。


細かな傷はあるものの、この独特の雰囲気や質感は、丁寧な鞣しや染色、そして仕上げによってしか生まれません。


 

PREBLICで使用しているディアスキンは、まず「合成タンニン鞣し」を行い、その後に「ベジタブルタンニン鞣し」を施すという、非常に手間のかかる方法で仕上げられています。


また、化粧を施さないことで、表面が部分的にヌバック状になることもあります。これは製品ごとに異なる、唯一無二の表情を作り出してくれます。


このような工程を経て、はじめてあの柔らかさと深みのある質感が生まれます。


 

ちなみにしなやかなディアスキンですが、耐久性にも優れ、日常的に「ガシガシ」と着用していただけるレザーです。

 

雨に打たれたことは何度もあります。雨に打たれた瞬間は、雫の跡が付きますが、乾けば元通りになります。 

 

価格が高い理由は、原皮自体が高価であることに加え、裁断して使用できる部分が非常に限られている点、さらに革の性質上、縫製にも下処理が必要など時間と手間がかかることです。


この風合いや質感は、タンナーの方々の試行錯誤と自分で作っておいて自分でいうのもなんですが、製作工程にかかる多くの手間があってこそ生まれるものです。ぜひ、店頭で実際に手に取って、その良さを体感していただきたい一着です。


ぜひクタクタになるまで着込んで、自分だけの一着に育てていただけたらと思います。


 

さて、ここからは今週完成したご注文品のご紹介です。 

 

上でもご紹介したディアスキンを使用した「CRANK」。  裏地にはブラックコーデュロイを選んでいただきました。しっとりと落ち着いた雰囲気に仕上がっています。 




 

こちらはホースハイドを使用した「LAUNCH」。 


今回はカスタムオーダーで、後ろ身頃のデザインを変更しています。 

通常付属するウエストベルトは取り外し、代わりに背面の腰部分に腰バンドを配置しました。


裏地はクラシカルな千鳥格子でお作りました。


定番のLAUNCHの後ろ身頃>



そして、革小物の経年変化。

まずはPLET Saddle Pull Up x Crocodile col.Black。

左は新品、右は約5年使用したもの。



真ん中は、お札を入れたりカードを入れたり。

僕は、普段表にカード1枚、裏面に3枚、真ん中にカード6枚入れています。 

薄いのによく入ります。

独特のツヤと丸みが出てきました。



今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

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