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カート

カートが空です

ご注文分と経年変化

 

PREBLICの今村です。毎週火曜日に書いています。



先日、70代の方からレザージャケットのご注文をいただきました。

数年前、大きな病気を患い無事復活した方で、今はそんなことが信じられないくらいお元気で、ユーモアと品を纏ったような紳士な方です。


ご来店いただいた時に、店に4、5年着用したエイジングサンプルがあり、着るとこんな感じの雰囲気に仕上がってくれますと話した時に、「俺生きてっかな?」と冗談混じりの言葉が返ってきました。心の中で余計なことを言ってしまったと少し後悔したんですが、Kさんを見た時に、きっと大丈夫だと心の中の後悔は吹き飛びました。



自分がKさんの立場だったら、本当に好きなものに時間とお金を使うだろうと思います。

ご来店いただいた時も2時間ぐらいお話しさせていただきました。

自分達に使っていただけたことは本当に嬉しくとても感謝です。



絶妙なタイミングでご注文いただいたので、ちょうど昨日完成し無事にご連絡することができました。

Kさんありがとうございました。





さて今週はご注文いただいた革小物とレザージャケットの経年変化についてご紹介致します。


まずはご注文の革小物のご紹介です。

スモールウォレットの『lom - Horween Shell Cordovan col.Black

現在は完売しているので受注生産にてご注文いただけます。




クラシカルなフラップが付いたコンパクトウォレットです。一般的な名刺入れとだいたい同じぐらいのサイズ感です。


フラップを開けるとカード室三室と紙幣は二つ折りで入るポケット、裏面は小銭入れ。


同じ名前でLOMとlomの2つがあり、大きい方がLOM小さい方がlomです。



大きい方のLOMは、スラックスであれば厚みを抑えてポケットに収まるギリギリの大きさに仕上げています。

馴染むとカード15枚入れているお客様もいます。

LOMとlom




自分も使っているんですが、絶妙な大きさでたくさん入って、スラックスのポケットに入れても厚みがそこまで表に出ないので重宝しています。

 

小さいlomはさらにコンパクトです。




そして、キーケースのLEYTON。

ご夫婦揃って色は、外装と内装を互い違いでご注文いただきました。




使用したレザーは、フランス産の名門ゴートスキンのレッドとベルギー産のサドルレザーです。


どちらもシボがあり、それぞれ異なった凹凸がクラシカルで、どこか新しさも感じられる仕上がりになりました。

外装がフレンチゴート レッド、内装はサドルプルアップ ダークブラウン


<外装がサドルプルアップ ダークブラウン、内装はフレンチゴート レッド>




ご注文いただいたお客様ありがとうございます。



 

そして、経年変化したレザージャケットCRANK


こちらはベジタブルタンニン鞣しのゴートスキンで、色はアンバー色。

持っているジャケットは圧倒的に黒のレザージャケットが多いのでたまにこのぐらいの色合いのものを着ると新鮮な気分になれます。

写真撮った時は、まだ着用して2回目なんですが、丁寧な鞣しからかすでに袖には良い雰囲気のシワが出てきました。

街を歩いていてもこのぐらいのミドルブラウン着てる人も少ないところが気に入っています。




そして、同じCRANKですが、こちらはベジタブルタンニン鞣しのシープスキン。

色は、ダークオリーブで深みのあるグリーンです。



PREBLICで使用しているシープスキンとゴートスキンは、イギリスで古くからある鞣し方法を採用したレザーです。レザー内部にたくさんの蝋分を入れ込んでいます。有名なレザーだとブライドルレザーというものがあります。

ブライドルレザー


古くからの知恵で、湿気の多いお土地柄、湿気から守ってくれたり、繊維を引き締めて耐久性を高くする効果があります。


気温や湿度の高低差の多い日本では、レザー内部の蝋分(ブルーム)が表に出てくることがありますが、問題なくご着用いただけます。


自分は出てきた時は手ではらって、着るんですがうっすら表面が白かったりします。このうっすら白い感じもなかなか味わい深いので気に入って着ています。

知らないとびっくりしてしまいそうですが、ブルームだと分かると不思議と愛着が湧くから不思議です。



表面の深いグリーンと表面が擦れて下地が出たブラウンはよく合います。


今日も最後まで読んでいただきありがとうございます。