商品について

Q商品のサイズはどのように測っていますか
A商品はすべて平台に平置きし、外寸を測定しております。商品やデザインによっては若干の誤差が生じますので、あらかじめご了承ください。
Q注文から納品までどれくらい時間がかかりますか?
Aご注文確定後、2~3営業日以内に発送いたしております。

修理・配送について

Q修理、寸法直しの納期はどのぐらいかかりますか?
A修理内容にもよりますがおよそ2週間〜4週間いただいております。
Qお届け地域について教えてください。
A全国へお届けいたします。

返品・交換について

Q商品を返品したい
A商品が不良品の場合、または誤配送の場合のみ、返品をお受けいたします。お客様都合での商品の返品は承れません。あらかじめご了承ください。
Q商品を交換したい
A商品に不備があった場合のみご対応させていただきます。誠に申し訳ございませんが、お客様のご都合による交換は出来かねます。あらかじめご了承ください。

2020/04/28 10:58

PREBLICの今村です。


今、"自分では買わないけど、もらったら嬉しいもの"というところに焦点をあててモノづくりをしようと思っています。


最近思ったのですが、買う人とそれを使う人が必ずしも同じである必要はないなと思いました。


そう思ってからPREBLICのスタメン達(商品)を見ていると買う人と使う人が同じものが多いことに気づきました。


まだ製作段階ですが、シューホーン(靴べら)を作っています。


自分で使う人ももちろんいらっしゃるモノですが、どこか贈り物っぽさがあるモノだとも思ってます。


「世話になった親父に」とか、「後輩の誕生日に」とか。そんなモノもあっても良いだろうと思いました。


ちなみに、クロコダイル、ホーウィン社シェルコードバン、サドルプルアップの3種類からお選びいただけます。


もう少しで完成しそうです。





いつの時代でも、どの分野にも重鎮というか業界での有名人みたいな人は存在します


何か物事を始めるきっかけをくれるのは決まってその有名(重鎮)な人達でした。彼らを雑誌なりテレビで見て、憧れた気持ちが、始めるきっかけをくれることが多かったりします。

自分も洋服やレザーに夢を見たのはそんな気持ちからきています。


やり始めは、その重鎮の人達が作った共通ルールみたいなものがあることを知る。そして、その人に影響を受けたたくさんの人達の中に、確実に共通の暗黙のルールのようなものが存在していて、その暗黙のルールを的確に捉えて発信している人は、いわゆる業界内で優等生タイプとして扱われます。


PREBLICを始めた当初は、自分も優等生タイプになろうと、無意識に憧れた人に近づこうと意識して動いていました。


でも、途中からあることに気づくことになりました。

それは、いくら優等生タイプとして技術を磨いても、その有名な人達が作った第一人者たちのフィールドにいる限り、いくら頑張っても、始めるきっかけをくれた人達のような存在には到底なれないこと。


重鎮の人達が上にいる限りそのフィールドには、順番待ちしている強者たちが列をなしていること。



じゃあ、どうしたら良いか?



「誰にも比べられないフィールドに立つこと」




自分は、確かに始める前は重鎮の人たちに憧れを抱いて始めたけど、ここの


「なぜ憧れたのか?」


の部分の感情の根源をもう少し細かく分解していくと



第一人者で、誰とも比べられないという存在、つまり唯一無二に見えたから憧れていたことに気付いた。



その人に近づこうと思っても、旅路の中で、近づくことはあっても決して追いつくことはないこと。そして、自分の持っている特性が憧れていた人ともその周りの人達とも微妙に違うことに気付いていきました。

初めのうちは小さな違いが、試行錯誤したり、手を動かしたり、得た引き出しによって、小さな違いがだんだん大きくなっていく。


そして、心の奥底で聞こえる微かだけど大事な声を、丁寧にたぐりよせることが、誰とも比べられないフィールドを作る気付きをくれるんじゃないかと思う。



このDiaryの文章も自分(PREBLIC)の持つ特性の一つで、誰かが言ってたことをコピーしたものではなくて、自分の声をリアルに綴っています。



洋服や革小物の業界で確かに存在する、喋らなくても、


「写真や雰囲気だけで察してくれ」


という半ば強引で、分かる奴だけには分かるみたいな世界観は少なからずあります。

その少し冷たくてクールな印象は嫌いではないけど、自分には合っていないと思いました。



雰囲気で察してくれとか、技術のディテールや拘ったところを語る人は多くいても、人間的でパーソナルな部分を語るブランドは少ないと思いました。

むしろ自分は、体温が感じられるものの方をけっこう大事にしていたりします。

それもあって、もっと人間的な体温が感じられる部分もっと表に出していこうと思いました。



現にこのDiaryを読んで購入していただいた方は少なくないです。



モノのディテール説明だけよりも、人の感情に響く言葉の方が、いくら丁寧に説明したディテール説明よりもPREBLICにとってはリアルなのかもしれません。




一人一人に得意不得意があるように、こういった持ち合わせている武器はみんな違うこと。


この武器を知るためには、何気ない日常で感じた微妙な心の違和感を丁寧に糸が切れないようにたぐりよせることが大事なのかなと思いました。



--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------



さて、最近製作したものをご紹介します。



1個目は、先日のDiaryでもご紹介したウォレットの2回目の仮組みが完成したのでご紹介します。


以前の1回目の仮組みのDiaryはこちら→クリック


お札と名刺が浮遊しない(動かないように固定したい)というお題をいただいてから2回目の仮組みではこのようになりました。

(※まだ完成品ではなく、仮組み段階の写真です)



↓お札は縦に入れて二つ折りに(2回目の仮組み)



↓裏面には、名刺を入れる仕切りが2つ



良い感じに仕上がったと思い、これをお客様にお見せした時に、


縦にお札を入れるよりも横の方がお札を入れた時に安定しそうですね」


というお言葉を頂きました。


自分も思わず、


「確かに!」


と深く納得していまいました。


心の中で、なぜ自分が先に思いつかなかったのか。。という悔しい気持ちと「この方は天才や」と思ってしまいました。




そうして、3回目の仮組みがこちらです。


↓お札が画像のように横から入れます。お札の幅を考慮して少し縦の幅を高くしました。縦の幅を高くすることでホールド力が高くなります。こちらの仕様の方が抜群に安定感が増しました。



この仕様に関しては、確実に自分1人では思いつくことはありませんでした。





そして、ほぼ全員と言っても大袈裟ではないことは、革小物を生業としているブランドさんや職人さんは、


「新しい形、仕様を発見し最初に産み出したい」


と思っている人は少なくないと思います。


この感情を少し分解していくと、作り手は、納得いくもので自らの手で作り出したものが完成した瞬間に自分だからできたとか、今までコツコツと手を動かしてきたことが、今に繋がったと感じられ、これらがある種の高揚感みたいなものを産みます。さらにこれを使ってくれる人たちが喜んでくれるという未来を見ることが何ものにも変えられない嬉しさがあるのかなと思います。



作ったのは自分ですが、アイディアやイメージを与えてくれたのはお客様です。これを一緒に作ることができることには本当に感謝しています。



自分にまた一つ新しい引き出しとアイディアが追加されました。


ちなみにここでの完成度が高いというのは、


裁断がきれい、

縫製がきれい、

などの製作技術だけのことではなくて、


人が使うことへの配慮と収納性の機能美、お札やカードなどを収納されるものたちの素材や特質を考慮した収納美、それに加えて見た目が非常にシンプルであることです。

ぱっと見で無理な仕様は、脳が勝手に「これは、なしだな」と無意識に判断してくれます。

完成度が、高いものは、見た目に無理がなくて、まとまっていてシンプルなものなことが多く、脳が自然と受け入れてくれるようなものだと思います。

そこには、たくさんの技術やアイディアは盛り込まれていても決して大袈裟に主張することはありません。


こうして、仮組みは完成したので、次にご紹介するときはいよいよ完成品です。












そして、2個目。ついに大物が完成しました。


これもまた以前Diaryでご紹介したディアスキンのスウェードを使用した半裏地のジャケットです。


以前のDiaryはこちら→クリック



使用しているディアスキンは、100年以上前に創業した老舗のものです。やはり老舗だけあって素材感が抜群に良いです。



写真からでも風合いが伝わってきます。



厚みは、約1mmに指定し、この1着のために作ってもらいました。

厚さ1mmというのは、少し薄い分類に入ります。

PREBLICの定番のレザージャケットは、約1.2mm厚で仕上げてもらっています。耐久性と見た目の雰囲気を考慮した厚みです。


でも、今回は、お客様のご希望で軽く羽織りたいということで、この厚みに仕上げました。ディアスキンのしなやかさと耐久性のある素材ということを考慮した厚みです。さらに、軽く羽織ることを考え、袖と、後ろ身頃の裏地はなしで、前身頃のみ裏地が配されます。

スウェードは、(本来なら)表面を裏返しにしていることで袖に関しては袖通りも良いです。そして、ハンガーにかけた時に見える後ろ身頃の背中心と裾にはカーフスキンでパイピングを施しました。こうすることでジャケットの印象も一気に引き締まります。



そして、前身頃にのみ裏地をつけたのは、内ポケットをつけるためで、お客様が普段使いで収納するものを考えたポケット口の大きさと袋布の寸法になっています。

右の内ポケットは、口が大きく少し重量のあるものを収納するということでしたので、口の真ん中にはポケット口がへたりにくいようにスナップボタンをつけました。


↓右内ポケット



↓左内ポケット



手足のあるスウェードは、影が生まれ光が反射することがないため、色味に深みが増します。レザー特有の光沢から生まれるある種の艶っぽさはなくなり、落ち着いて柔らかい質感に仕上がります。

ボタンはスウェードの質感に合わせてマットな仕上がりの本水牛ボタンを選んでいます。



こちらのジャケットもシンプルで強いジャケットに仕上がりました