PREBLICの今村です。毎週火曜日に書いています。
今月8月24日発売のCLUTCH MAGAZINEに掲載いただきました。書店に行かれた際はぜひご覧下さい。


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さて先週から製作過程を書いているKEN。
アトリエ店舗に遊びが加わればいいなと思い製作しました。

どうせならただの置き物とか飾り物というよりも何か意味のあるものにしたいと思って、壁とかにかかってるレザージャケットとか棚の上とかのモノを取るときに乗れるようにしたり、子供も乗れるものにしたいと思いました。そんな風に考えて中に鉄椅子を仕込むことにしました。
鉄椅子は横浜にあるCRIB MOTOR CYCLE 小川さんに製作していただきました。普段からバイクのフレームなども作っている小川さん。かなり頑丈に作ってくれました。小川さんいわく100kgぐらいは普通に乗れるようです。



そして、作っていただいた鉄椅子を仕込み、木の繊維でできたウッドウール(wood wool)を満遍なく詰めていきました。それから本来ソファに使う中綿も使用することにしました。乗ったりすることを考えるとカタチが潰れていまうと思ったので背中部分とその他の部分のあんこは使い分けることにしました。


ちなみに100年以上前にドイツで生まれ、イギリスやアメリカにも広がったテディベア。ビンテージと呼ばれるものの中身は、綿ではなく木の繊維でできたウッドウールが入っています。当時は、今では主流のポリエステルの綿はなかったのでウッドウールを入れていました。

Vintage photo : Hermann

詰める手間はかかるんですが、当時のドイツで木材はとても身近な天然素材でした。たまたま身近にあったウッドウールを詰め、偶然にも天然素材のため馴染みがよいことと防虫、防湿効果があります。そして、長い時間が経過しても型崩れしにくいこと。
日本のように夏は高温多湿の国にもとても理に適った素材です。
そして完成したのがこちら。
部分的にウォレットで使用する手縫いの技術やコバ処理を施しています。


乗ったりするので地面に直接付くKENの足の裏にはそれなりの負荷がかかることを考え、足の裏にはホースシューを取り付けました。

うちの4歳の娘も気に入ってくれたので、とりあえずホッとしてます。見た目はかわいい感じですが、製作はかなりハードでした。これからPREBLICの『番KEN』として立ってくれてます。
ご協力いただいた方ありがとうございました。
来週は、完成したレザージャケットをご紹介します。
