この間、テーラーをやってる友人と話した時に天然繊維と動物繊維の話になりました。
自分が友人に、「スラックスで落ち感があって、経年変化して、タフで長持ちする素材はないのか?」という欲張りな質問をしました。
友人の答えを聞いて自分の質問が矛盾してることが分かりました。
「経年変化」と「長持ちすること」は基本的には相反するとのこと。
経年変化するってことは、新品の状態から着用するにつれて少しずつ変化しているということで、言い換えればゆっくりと朽ちていく過程。その朽ちてく過程がきれいなものが経年変化。あまりきれいに見えないものが経年劣化。どちらにせよ最後は土に返ります。
なので生地の世界で言うと、天然繊維。つまり麻とか綿やシルクは経年変化しやすい。
逆にウールなどの動物繊維は、天然繊維よりは経年変化のスピードはゆっくりだけど天然繊維よりも長持ちするとのことでした。
言われてみれば確かに古着屋に行った時、あれだけ新品は硬く分厚いジーンズがビンテージジーンズとなると大きく色落ちしていたり破れていたりしているのを何本も見てきました。でも、ビンテージのウールのスーツとかコートは、多少の虫食いはあったとしても大きく破れたりしているのをあまり見かけたことがありません。使う用途がジーンズの方がラフに着ることが多かったり破れてもジーンズは価値が高いことも要因だと思いますが、それを差っ引いて考えても確かにウールで大きく色落ちしたり破れてるのをあまり見かけたことはありません。
自分は、春から夏、秋にかけては麻のスラックスを履くことが多いです。シャリシャリした肌触りと履くほどにできるシワとか、ジーンズとはまた違った色落ちが好きでよく履いています。ウールよりも長持ちはしないといえども麻にしか出せない雰囲気は確かにあります。
スボンは特にアイロンでクリースを入れたり、座った時の摩擦がお尻には生じてくるのでアウターに比べて生地には大きな負荷がかかります。クリースにアイロンをかけすぎるとクリースから生地が裂けてくるのはテーラーではあるあるとのことです。

少し話は逸れますが、上の話は生地の話。
生地の世界では矛盾している「経年変化」と「長持ちする」こと。レザーは、例外でした。経年変化もするし耐久性も高い。そう考えると自分が好きな要素がレザーには詰まっていることを再認識しました。



ちなみに混率素材というのがあって、麻50ウール50のような麻とウールが混ざった素材。これらの素材は、それぞれの特徴をそれなりに残してくれる素材です。お互いの長所と短所をうまく調和してくれます。
昔からある素材ですが、人間って賢いですね。
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さてホーウィン社シェルコードバンを使用したKONETTが定番に加わりました。現在、シェルコードバンは完売となっており受注生産にてご注文いただけます。
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クロコダイルを使用したKONETTはストックございますので気になる方はオンラインもしくは店頭にてお買い求めいただけます。
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内側にカード室が4室あり最大でカード12枚、真ん中には小銭、お札は真ん中に挟んでお使いいただけます。
これだけ収納できてパンツのポケットに厚みを抑えて収納することができます。

使用とともに丸みも出てきて、レザー特有の光沢と深みが出てきます。
写真左は約1年使用、右は約8ヶ月使用したものです。写真のKONETT - Crocodile col.Dark Brownは中にカード14枚、小銭、お札が収納されています。お使い始めはレザーは硬くハリがあるんですが、馴染めば収納も上がっていきます。


それから、ご注文分のウォレットの仮縫いが完成しました。こちらは大きさと厚みを抑えたコンパクトなウォレットです。KONETTほどは収納できませんが普段からそこまでカードやキャッシュをお持ちにならない方にはおすすめのウォレットです。

表面にはお札を三つ折りで収納でき、反対面にはカード5枚、ジッパーをあけると小銭を収納できます。
掌にも収まり大きさも厚みもかなり抑えたウォレットです。完成次第またご紹介致します。

