PREBLICの今村です。毎週火曜日に書いています。
自分は、作った服を着ています。作っては着て、作っては着てを繰り返しています。レザージャケットは着れば着るだけ小慣れた印象になってくれるので着数はどんどん増えていきました。そんな中のここ半年の間に自分のワードローブに入ってきたベジタブルタンニン鞣しのシープスキン ジャケット2着。こっちが着用してだいたい5ヶ月。
こっちが3ヶ月です。
こちらは、芯通しのシープスキン。表面の黒を下地まで同じ黒に染め上げたレザーです。着用によってジッパーの擦れや肘部分にはレザージャケット特有のシワがでてきました。ベジタブルタンニン鞣しなので擦れた部分は時間をかけて少しずつブラウンに変化していきます。
一般的なシープスキンの特徴はしなやか、薄い、軽いがあると思います。ただ代償として耐久性に少し欠けるというのがシープスキンです。
この耐久性の問題を解決するために、シープスキンでは珍しく厚みのある品種を選んでいます。気になる重さもシープスキンの素材の特性上軽く仕上がっています。それから、作りの面ではレザージャケットで負荷がかかる袖周りには念には念を込め、補強資材を内側に施すことで耐久性を高めています。ビンテージのジャケットでも袖周りが破れるというのはよく見てきました。そんな問題を厚みと内側の処理で耐久性をあげています。
長く着用して経年変化を楽んでいただきたいシープスキンです。
そして以前Diaryでもご紹介した茶芯のシープスキン。表面は少しだけ艶を落とし、下地の色はミドルブラウンに仕上げています。上で書いた芯通しのシープスキンと風合いに違いが出るように仕上げました。こちらのシープスキンを使ったサンプルも製作しており着用後の写真はまたご紹介します。
下地はミドルブラウンにすることで着込んでいくと表面の色が擦れて少しずつ下地のミドルブラウンが表れます。トーンの少し明るめのブラウンなのでコントラストが生まれます。下地と表面の色合いの違いから見た目でも感じ取りやすい経年変化が表れます。
そして、PREBLICで人気のホースハイド。こちらは約2年半着用したものです。
こちらは約1年着用。
だいぶクタッとしてきて小慣れた印象になってきました。こちらのホースは、上で紹介した茶芯のシープスキンと異なり、下地はダークブラウンに仕上げ、表面は黒。擦れによって下地のダークブラウンが見えてきても表面の黒とコントラストを抑えられることでシックな経年変化を楽しめます。
シープスキンに比べると重さがありますが、ホースハイドはどの素材にもない独特の風合いと重量感があります。不思議と重さがあるレザージャケットは安心感を感じてしまいます。重さが特に気にならないという方で、強さのあるレザージャケットを求めている人にはぴったりの素材です。
それから、ディアスキン。こちらは、上のシープスキンともホースハイドとも異なる風合いです。独特のシボ感が特徴でしなやかさとウールのような落ち感が特徴です。
日本でも古来から手袋や足袋の下に履く靴下にも使われていた素材です。吸湿性に優れていたり引き裂きに強く破れにくいのでレザージャケットにも昔から好まれて使用されてきました。
触れる媒体がインターネットで格段に増えたことで、お客様の好みも細分化されました。同じ黒だとしても素材や仕上げによって着心地や風合いは大きく異なります。着用前の新品の状態でも違いがありますが、経年変化するとより一層変化は大きくなります。経年変化のサンプルがあることでジャケットの未来を想像できます。極力自分で着て経年変化をお見せできればと思います。
今週も最後までお読みいただきありがとうございます。