PREBLICの今村です。毎週火曜日に書いています。
先週に引き続き完成した革小物のご紹介です。
こちらは手帳カバーです。
表にはディアスキン、内装にはオリジナルで型押しを施したサドルレザーを使用しています。
お客様が普段お使いのノートを教えていただき、実物の寸法を基に製作しました。ご希望のレザーや寸法、仕様などは全てメールでやりとりさせていただきました。
ディアスキンの特徴は、しなやかで少しふっくらしたタッチが特徴です。タッチはしなやかながら耐久性はとても高い素材です。日本でも古来から手袋に使われたり、衣料でも1番負荷のかかる靴下、つまり足袋にもディアスキンは使われていました。
ただ手帳カバーにそのままディアスキンを使うのは少ししなやかすぎるんです。型崩れしにくくある程度ハリ感を出すためには何かしらの下処理が必要です。
レザーには衣料に向いているレザー、靴に向いているレザー、バッグに向いているレザーがあります。例えば結婚式で履くような革靴のレザーをレザージャケットに使うと硬すぎて着れたもんじゃありません。
ディアスキンの独特のシボ感と風合いがお好みのお客様のご要望にお応えするには手帳カバーに適したハリ感、厚みにディアスキンを整えなければなりません。そこで手帳カバーに適したハリ感を出すために適しているであろう別のレザーを厳選し裏面から張り合わせています。
こうやってDiaryで書かなければ誰にも分からない目に見えない工程ですが、製作としてはとても大事な工程です。
それから写真をよく見ると分かりますが、表のディアスキンが少し盛り上がっているのが分かります。
これは立体感を出すためにディアスキンと貼り合わせるレザーの間にもう一枚芯を入れています。
普通に張り合わせただけだとどうしてもフラットになり過ぎてしまうことから1mm程の厚みの芯を間に挟みこんでいます。それからディアと張り合わせのレザー、そして芯はより立体感がでるように4辺端の側面を薄くして中央にかけて厚みが出るように仕立てています。
この一手間で持った時の手触り、そして見た目の雰囲気も変わってきます。
シンプルなんですが、いろいろと盛り込んだ手帳カバーに仕上がりました。
ちなみに革小物のご注文に関しては実際に店頭にお越しになるお客様も多いですが、メールのやり取りでご注文いただくことも多いです。
こちらの手帳カバーもメールで全てやり取りさせていただきました。店頭にお越しいただくのが難しい遠方の方などはぜひメールをご活用ください。
そして、こちらはご注文いただいたクロコダイルを使用したミニウォレットです。
お客様のご希望のデザインと仕様をそのまま形にしました。
レザーの厚みや仕様などを本番前にチェックするために一度仮組みを製作。
小銭、カード、そしてお札は折らずに収納できます。ここまで収納性があってかなりコンパクトに収納できます。
表はクロコダイル、内装はドイツのワインハイマー社のレザーを使用しています。
一見シンプルそうな見た目ですが、ギミックに富んだウォレットです。
そして、今「shepards」(メールバッグ)を製作中です。こちらはまた来週ご紹介します。