商品について

Q商品のサイズはどのように測っていますか
A商品はすべて平台に平置きし、外寸を測定しております。商品やデザインによっては若干の誤差が生じますので、あらかじめご了承ください。
Q注文から納品までどれくらい時間がかかりますか?
Aご注文確定後、2~3営業日以内に発送いたしております。

修理・配送について

Q修理、寸法直しの納期はどのぐらいかかりますか?
A修理内容にもよりますがおよそ2週間〜4週間いただいております。
Qお届け地域について教えてください。
A全国へお届けいたします。

返品・交換について

Q商品を返品したい
A商品が不良品の場合、または誤配送の場合のみ、返品をお受けいたします。お客様都合での商品の返品は承れません。あらかじめご了承ください。
Q商品を交換したい
A商品に不備があった場合のみご対応させていただきます。誠に申し訳ございませんが、お客様のご都合による交換は出来かねます。あらかじめご了承ください。

2021/05/18 09:08

PREBLICの今村です。

毎週火曜日に書いています。



-------------------------------------------------------------

広尾にアトリエ兼店舗をオープンして2年

-------------------------------------------------------------

2019年5月18日にこのアトリエ店舗をオープンしました。これを書いているのもちょうど5月18日です。


4年前にPREBLICを始めて2年前までは自宅のマンションの一室をアトリエにして仕事していました。

普通にお客様がピンポンを押して靴を脱いでオーダーしにきていただいていました。

前にもDiaryで書きましたが当時自宅で使用していた作業テーブル。このテーブルの大きさだと革が広げられないから、掃除機をかけた床に革を広げて革を裁断していました。このテーブルを見ると床で革を裁断した後、腰が痛かったこととかいろいろと思い出させてくれます。笑



4年前って昔といえば昔だけど最近といえば最近。

PREBLICを始めた最初の頃、特に自宅で仕事をしていた頃は必死さしかなかったから考えることもやることも山積みだった。やることも考えることも次から次に出てくるもんだから記憶は新しく書き換えられていく。

だから自宅で仕事していた頃のことはだいぶ昔のことのように思えてしまう。


ただピンポン押して、靴を脱いで来てくれたお客様だけの記憶はあまり古くならない。

駅からも遠い、アクセスの悪い立地。そんな場所に時間を作って来ていただいていたので感謝の質が違うからなのかもしれない。



-------------------------------------------------------------

自宅で仕事をしていたあの頃を経て今は出来上がってる

-------------------------------------------------------------

コロナを誰も予想できなかったように、これからのことは誰も分からない。ただこれまでの自分と今の自分の延長線上に、先の自分がいることは確かだ。

1個作って届けるってことは、それを受け取る人が1人いるってこと。

10個作れば10人、100個作れば100人、1000個作れば1000人。たった1個でもこれまでに繋がった今の1個と考えれば、たった1個とは言えない。


来年の今日5月18日も変わらずの1個を作っていることを願って、今日も1個を作る。







さて先週のDiaryで紹介しきれなかったご注文分のバッグをご紹介致します



-------------------------------------------------------------

ビスポークのクラッチバッグ

-------------------------------------------------------------

先週のDiaryで紹介しきれなかったバッグが完成しました。デザインはもちろん寸法、内装のポケットなども含めてオリジナルで製作させていただきました。


ちなみに注文してくれたのは、鹿児島の実家で家が隣同士だった幼馴染みです。

5月下旬に妹の結婚式があるとのことでそれに合わせて注文してくれました。

優しい男です。ありがとう。



-------------------------------------------------------------

レザーはドイツで150年以上前から存在するレシピ

-------------------------------------------------------------

使用したレザーは、由緒正しいドイツのワインハイマー社のレザー。特徴的で細かなシボは適度な影を生み黒は深く、そしてオリジナルレシピで鞣されたレザーとシボのおかげで傷は目立ちにくいというのも嬉しい特徴です。

世の中で良質なものは繊細なものも多いと思いますが、ワインハイマー社のレザーは見た目の繊細さとは裏腹にとてもタフなレザーです。



-------------------------------------------------------------

オーダーではイメージを初めに決める

-------------------------------------------------------------

この考え方が絶対ではありませんが、オーダーする時のデザインの考え方の1つとして、「先にイメージを決める」があります。

ご注文する時に気にすべき点は、こんな雰囲気にしたいというイメージ。

イメージを決めずに欲っしている要素や気になる要素をすべて詰め込むと幕の内弁当みたいになってしまいます。幕の内弁当自体は好きですが、デザインに関して言えば、統一性があった方が説得力が生まれるかなと思います。その人のなかで優先順位が高いものを設定して、そのイメージに振り切った共通性のあるディテール同士で整えていくと強いデザインが生まれることが多いように思います。

出来上がった瞬間は「最高!」と思っても、「長年付き合っていくモノ」となると普段使いしやすいこととシンプルで強いというのは大事な要素だと思います。



-------------------------------------------------------------

イメージは都会的でキリッと

-------------------------------------------------------------

少し抽象的ですが、何かを作り始める時のイメージはだいたいフワっとしていて抽象的です。フワフワして輪郭がぼやけているものを肌触りが分かるぐらいのディテールを一個ずつ選び取って具体的な形に組み立てていきます。



-------------------------------------------------------------

イメージに沿った具体的なディテール

-------------------------------------------------------------

・角には、あまり丸みを持たせないこと



・置いた時にしっかり自立すること




・長い時間ハリのある印象を保つこと


ワインハイマー社のレザーの特徴は、傷が目立ちにくく、使い始めの印象を長く保ってくれます。

経年変化の幅が大きいタンニン鞣しとは異なり、長年受け継がれてきたオリジナルのクロム鞣しのレシピは、長時間初めの印象を保ってくれます。



・都会的なイメージなのでジッパーなどの金具はシルバーに。スナップボタンはレザーと同色に。




・収納するものを探しやすくする。


この解決方法は、裏地をバーガンディーにすることで入れたものが見やすくなりますバッグはたいてい筒状になっていて中身を覗く時はたいてい陰が生まれます。影ができるのに内装まで黒いとやはり中に入れたものは見にくくなってしまいます。

そして、収納するものは決まっているので行き場所を決めてあげるためにポケットを。そして鍵を収めるキーストラップ。




これだけ考えたものはどうしたって思い入れは強くなります。




こんなことを意見交換しながら製作していきました。

J君ありがとう!!



-------------------------------------------------------------

マガジンケース

-------------------------------------------------------------

こちらはJ君とは別のお客様のご注文です。

この三角のフラップが付いたものはマガジンケースです。


PREBLICの定番モデルSPRITを拡大したようなデザインと仕様です。


一つ違うとすればSPRITはフラップのスナップボタンをレザーで覆っていますが、今回のマガジンケースはスナップボタンを表に出しています。

中に入れるものの容量によってマチは伸縮してくれます。


表はスムースのベルギー産サドルレザー、内装のフラップ裏はオリジナルで型押しを施したこちらもベルギー産サドルレザー。



-------------------------------------------------------------

シャキっとハリのある印象に

-------------------------------------------------------------

経年変化してもシャキッとハリのある印象を長く保ちたいというご要望でした。

使用しているベルギー産サドルレザーは、ハリが強いことでも定評のあるレザー。

ただどんなレザーでも使用とともに少しずつしなやかになっていきます。


これを少しでも長くハリを保ち、見た目でも整った印象を保つためにレザーとレザーの間に特別な芯材を入れて解決しました。



-------------------------------------------------------------

1枚のレザーは基本的に均一な厚み

-------------------------------------------------------------

ホントにちょっとしたことですが、立体感を付けた1ミリほどの芯材を入れるだけで、ハリを長く保ち、仕上げた時にほんのり立体感を作り出すことができます。



-------------------------------------------------------------

Diaryカバー

-------------------------------------------------------------

マガジンケースと同じ仕様でDiaryカバーも一緒にご注文いただきました。


使用しているレザーもアイボリーのステッチも基本的に同じ素材と仕様で仕上げています。そうすることで統一感のある仕上がりに。


内装真ん中の仕切りは使いやすさと耐久性を考え、丈夫でしなやかなスエードのディアスキンを使用しています。しおりのような役割です。


3つ以上の表情も質感も違うレザーを使用すると一見まとまりがなくうるさくなってしまいそうですが、配置や用途に合わせて適材適所に設置することでまとまりのある仕上がりにできます。


ペンはこんな感じで収納します。



ご注文ありがとうございました。



今週も最後まで読んでいただきありがとうございました。