PREBLICの今村です。
毎週火曜日に書いています。
今月4月24日に発売のCLUTCH Magazineに職人として掲載いただきました。
書店に行かれた方やオンライン購読されている方は是非ご覧下さい。
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さて、今週のDiaryはレザージャケットです。
以前からDiaryで書いていたレザージャケットが完成しました。
まずは、ディアスキン ロイヤルネイビーを使った『CORAM』
カスタム内容もたくさんあったため今回のDiary含め3回書かせていただきました。
こちらは、パターンオーダーでご注文いただいたもの。
以前書いた内容と重複するところもあると思いますが、一個ずつカスタム内容をご紹介していきます。
普段お使いのペンを入れるための胸ポケット。
寒い時期に襟を立て、空いた首元を防寒するためのチンストラップ。
使用しない時はこんな感じで収納できます。
そして、袖口は本切羽。ボタンは2個。
本来のCORAMにはボタンは付かないシンプルな仕様です。
そして、裏地の内ポケット。
両サイド上2つのポケットはそれぞれお客様が普段収納する深さに設定していて通常のポケットより左側は+3cm、右側は+9cm深くしています。そして、貴重品などを入れる際には安心感も増すスナップボタンを付けました。
下の両サイドのポケットもお客様の収納するものに合わせた寸法でこちらはジーンズのヒップポケットのように上からステッチしたパッチポケット仕様。カジュアルに取り出しできるものはスナップボタン。貴重品などを収納するものはジッパーで開閉できます。
ゴールドの裏地に合わせてボタン、ジッパーもゴールドで統一。下2つのポケットはパッチポケットにすることで良い具合いにライトな印象で作り込み過ぎた雰囲気にならないところも吟味された内装デザインです。
ポケットはたくさんあればあるだけ不便はありません。しかも内ポケットは着用すると見えない。
いつもポケットに入りきらずに仕方なくバッグを持っている方などは、内ポケットを増やしたり、収納するものに合わせたポケットはおすすめのカスタムです。
そして、こちらはホースハイド ブラックを使用した『CORAM』
上のしなやかで柔らかさのあるディアスキンとはまた違ってホースハイドはワイルドな印象。
こちらは、店頭用のサンプルです。
気になる方は是非実物をご覧下さい。
そして、PREBLICで1番初めに誕生した『BRANCH』(ホースハイド ブラック)のパターンオーダーです。左胸ポケットが特徴のダブルのライダースジャケットです。
今回のパターンオーダーではこの胸ポケットのフラップ、襟、袖口のジッパー部分にスタッズを取り付けています。
ヴィンテージでもスタッズがついたレザージャケットはありますが、ほぼ(多分全て)買った人の後付けだったりするので、スタッズの足が下のレザーまで貫通しているものも多いです。
ただこちらのスタッズカスタムのジャケットは、製作過程の中でスタッズを付けているので表のレザーのみに穴を開けているのでスタッズの足が見えることはありません。
それから、胸ポケットのフラップ部分のスタッズはミシン目から近い位置にスタッズを付けて欲しいということでした。ただミシン目から近い位置というのは、ミシンの抑えがスタッズが当たってしまって縫えなくなってしまいます。問題解消するために先にミシンで縫って後からスタッズを付けることも考えましたが、ミシン目が近すぎるとスタッズの足を曲がるペンチが入らずにスタッズの足を折ることができません。
そこで、あらかじめミシン穴のみを開けて、スタッズを付けた後に手縫いで仕上げました。ぱっと見はミシン縫いなんですが、レザージャケットに精通している方だと分かるディテールになっています。笑
それから、よく見ると袖口のスタッズとフラップ(胸ポケット)と襟のスタッズはサイズを変えています。ここもお客様のこだわりでよく目立つ顔周りの襟やフラップはスタッズの印象を軽くするために小ぶりの4.5mm幅のスタッズを。
そして、比較的に顔から離れていてスタッズの数も片袖で3個ずつ。スタッズの数も少ない袖口には少し大きめの6mm幅のスタッズを付けています。袖口にも同じ4.5mm幅のスタッズだと少し控えめ過ぎたので6mm幅を。
たった1.5mmの違いですが、印象は全然変わってきます。
ここのスタッズの使い分けやスタッズの大きさ、間隔、そしてどの位置かで全く別のレザージャケットに変化します。
スタッズカスタムにしては少し控えめな印象ではありますが、仕様をよくよくみるととても吟味されたスタッズ使いになっています。
最後のジャケットは、PREBLICでも人気のモデルの一つでもあるレザーテーラードの『BUNCH』です。
こちらも、上でご紹介した『CORAM』(ホースハイド ブラック)同様に店頭サンプルの1着です。
身頃裏地はブラックサテン、袖裏地はバーガンディーサテン。(袖裏地ちらっと見えてます)
後ろ身頃のセンターベンツや袖の本切羽は手縫い仕上げ。
自分でいうのもなんですが、作り込んだレザーテーラードで、しかもホースハイドのような本格的なレザーのものは市場には本当にない。(自分の知っている限りですが)
そんなところも人気な理由の一つだと思います。
次の製作は革小物です。その後はまたご注文分のレザージャケット製作となります。ご注文いただいたお客様はもうしばらくお待ち下さい。
また製作過程や完成しましたらご紹介させていただきます。