PREBLICの今村です。
以前のDiaryでも書きましたが、今月2月はほとんど革小物の製作をしていました。

お問い合わせも多数いただいていた、
・THOMAS - Saddle Pull SD
・THOMAS - Horween Shell Cordovan col.Black
・THOMAS - Crocodile col.Black
の3アイテムも再入荷致しました。

そして、パターンオーダーでご注文いただいたものも何点かは完成させることができました。
発送の準備などが整ったものから順番にご連絡させていただいております。
今回の製作含めて基本的に何か製作をしている最中は、作業用のプレイリストかラジオを聴いています。
裁断や組み立て、レザーの張り合わせなど神経を使う作業の時は、作業用のプレイリストを聴いています。神経を使う時に日本語の喋りが耳から入ってくると意識が引っ張られて失敗する確率が高くなるからです。

逆に手縫いなどの慣れとポイントを抑えていれば基本的に繰り返しの動作となる作業の時はラジオを聴くことが多いです。
今はとても便利なアプリがあって「radiko」というアプリで聞き逃した夜中の番組とかは1週間前まで遡って聴くことができます。
だいたい聞く番組は、偶然なのか映画や文字、音楽にたくさん触れている人がラジオDJを務める番組が多いです。
そういう方達の話にはいつも耳を奪われてしまいます。

シンプルに聞き心地が良くて、学びになるような話、そしてたまに笑わせてくれるウィットの効かせ方が好みだからです。
そんな聞き入ってしまう話をする人達に対してよく思うことは、いろんな映画や文字、音楽に触れている人はいろんな感情を持っていて感情が豊かな気がします。
誰ともそこまで大差のない何気ない日常生活をその人独特の切り取り方や受け止め方から表現する言葉は、お笑いの大喜利のような。笑いはないけど「そうきたか!」と妙な納得感と親近感があります。
特に、映画や漫画、小説などは他人の人格に感情移入できるものです。その瞬間だけは別の世界で生きることができます。しかも同じ物語でも性格や立場の違うキャラクターもいたりして、同じ物語でも何人もの人格として生きることができます。
たくさん映画や漫画、小説に触れた人は、その分だけたくさんの人の人生を触れたことになります。
たくさんの人間に感情移入した経験は、とても価値のあることだと感じます。それは、いろんな人になって生きたのでいろんな立場に立って物事を考えれたりできるんだと思います。
公の場で話しを聞くのは、やっぱりさまざまな人生を生きいる本人以外の人達なので。いろんな人の立場に立てるということは、さまざまな立場の人に刺さる言葉だったり、たくさんの人に対して配慮が行き届いた表現を見つけやすくなるのかもしれません。
そして、現実世界では世代の違う人達やジャンルの違う人達とのコミュニケーションも大きい気がします。
得た経験や知識は、外に出して人との関わりを持って初めて血となり肉となるのかなと。
そんな人達から垣間見える懐の深さやウィットが効いた表現は羨ましくもあり、見習いたいところです。
自分は、言葉ではないけど「モノ」を届ける仕事をしています。届けるものに違いはあれど、いろんな人の立場に立って考えられることは、きっと「良いものづくり」につながることだと思います。
仕事に没頭する時間ももちろん大切ですが、たまには映画や本に触れたり、いつもと違う人に会うことも、良い仕事をする上で遠回りなようで近道なのかもしれません。
さて、今月完成したご注文分の革小物は来週の火曜日にまたご紹介致します。