PREBLICの今村です。
サイズ欠けしていたKENT再入荷しました。
写真左が私物、写真右が新品です。
サイズはこちらです。
私もデニムやチノなどを履く時はよく使っていて使用して約1年10ヶ月なんですが、良い感じにエイジングしてきました。
使用したレザーは、ダークブラウンに下地まで染め上げ、表面のみブラックに染めています。使用とともに少しずつ下地のブラウンが表れます。
自分が、このKENTで気に入っているところは、黒い靴でもブラウン系の靴にも合うことです。エイジングするとKENTのレザーはブラックとブラウンを含んだ色合いに変化します。
KENTの経年変化した黒とブラウン。黒とブラウンを含んでいるため靴は黒もしくはブラウンでも色合いが重なるため相性が良いんです。
それから、特徴的なイギリス製のバックル。
イギリスの消防士が1秒でも早く着脱するために考案されたバックルでギミックを感じるデザイン。
自分は、街を歩いていてもイギリスと聞くと反射で意識を持っていかれてしまいます。
ディテールだったり、ある「単語」だったり自分に引っかかる『言い訳』をいくつか含んでいるものはやっぱり少し特別です。
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さて先週ご注文分いただきましたLEYTON - Crocodileを製作しました。
鍵をレザーが覆ってくれることで鍵が剥き出しにならずに鍵がぶつかって音がなることも少ないことから品よく鍵を収納できます。
LEYTONは3種類のレザーからお選びいただけます。
ベルギー産のサドルプルアップレザー。内装は、3種類ともにオリジナルで型押しを施したベルギー産サドルプルアップレザーです。
ホーウィン社のシェルコードバン。
そして今回ご注文いただいたクロコダイル。クロコダイルはレザーの厚みが同じであれば牛革よりも耐久性は高いと言われています。
そして、クロコダイルは水陸両用の生き物なので私の肌感覚的に水にも強いように感じます。生活する上で付着する水分は全く問題ありません。
意外に使用する上で特別なメンテナンスは必要なく、耐久性も高いことから特に気を遣わずに長くご愛用いただける素材です。
今回ご注文いただいたLEYTON - Crocodileに使用したクロコダイルは大きめの模様で製作したもので金具はシルバーで統一させています。鍵の金具は4連になっており、釣り針のようなシンプルな形状になっています。
1940年代にスイスで創業した老舗金具メーカーでヨーロッパ含め世界各国のビスポークのバッグ、革小物にも使用されています。
老舗の金具は、やはりシンプルな構造で無駄が極力ないものが多い様に感じます。デザインや仕様など時代の経過とともに微調整を繰り返した結果、今の形として残っています。時代の変化とともに必要ないものが削がれに削がれたため面構えはシンプルになるのは必然のことなのかもしれません。
一概には言えませんが、その時代を象徴するようなデザインは、少し時間が経つと懐かしさはありますが、ビンテージやアンティークとはまた違い、すこし古びて見えてしまうことがあります。
無駄のないデザインは、シンプルな面構えで主張こそ控えめであるものの時間が経過しても、時代とともに無駄が削がれ改良を重ね、きれいに磨かれたデザインのため古びて見えることは少ないように思います。そういった形だからこそ現代にまで残るのかもしれません。むしろそれ以外の方法では変わる時代に対して残るのは難しそうです。
ちなみにそこまで意識することはないと思いますが、レザーと金具の組み合わせって多いように感じませんか?
レザージャケット、革小物、靴(紐を通すハトメ)など。
その他、衣類や革小物身に付けるもの以外でもアンティークチェア、ソファなどでもよく見られます。しかもこれだけ時間が経っていても日常から使っていたり、手入れさえ行き届いていれば例え50年以上前のものでもなんの遜色なく使えたりします。
そうやって考えるとレザーと金具の組み合わせは古くから様々な意味で相性が良さそうです。
金具は時間が経過するにつれ、錆たり風合いにも変化が表れます。使用すれば風合いにこそ変化はありますが、耐久性にはほとんど問題はありません。
例えばレザーではなく布と金具の組み合わせであれば、錆は布繊維の隙間をぬって拡がっていき、見た目でも耐久性の面でも少し影響がでます。
そして、レザーは布とは違う繊維構造になっているので金具自体が錆ていても、錆びた金具と直接触れるレザー部分でもほとんど影響はありません。
構造上の観点から見ても見た目でもレザーと金具のそれぞれ異なった風合いの経年変化の組み合わせはとても相性が良いです。
さて、次はディアスキンのスウェードを使用した『BUNCH』です。
ホースハイドも男らしく色気があって好きですが、ディアスキンのスウェードも温かみがあり落ち着いた風合いで、また違った印象で好きです。遠くから見るとベロア?のような風合いですが近くから見るとやっぱりスウェード素材です。天然素材のため毛足の長さは均等ではありません。ところどころで毛足が微妙に長いところと短いところ。そんな微妙な不揃いにどこか高級感を感じさせます。
ウールの黒のテーラードジャケットだと下手すると仕事着をそのまま着てるのかな?とか思われそうですが、ディアスキンのテーラードはそのあたりが絶妙な仕上がりになっています。
テーラードというおおまかな形自体は、みんなが昔から見るクラシカルな印象。ただ素材感は明らかにそれとは異なります。
クラシカルな見た目は安心感を与え、人が無意識に想像できるあるべき素材から少しだけ角度をズラすと良い違和感を与えてくれます。良い違和感はやっぱり人の意識を引き留め印象に残りやすいように感じます。
スウェード素材は、光沢のある表面を使ったレザージャケットに比べて少しだけ力が抜けた印象で落ち着いた色合いと風合いは高級感を感じさせます。それから鹿革はしなやかさがあって耐久性も高い。
レザージャケットは着たいけど、少しハード過ぎないか?という人やウールのテーラードジャケットたど少し物足りなさを感じる人にぜひおすすめしたい1着です。
ご注文ありがとうございました。
また来週の火曜日に。