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2020/11/24 11:34

PREBLICの今村です。


完売していたRANGE再入荷しました。




イギリス製のバックルを使用していて、RANGEはバックルのみストックしていたので製作することができました。

ちなみに、KENTのバックルもイギリス製で、イギリスがロックダウンした関係もありKENTの完売したサイズの製作はお時間がかかるかもしれません。




現在、ご注文いただいているレザージャケット、革小物の納期などの頃合いを見ながら、バックルが到着次第、製作予定です。



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さて最近製作した『PLET』のパターンオーダーです。


以前、THOMAS - Crocodile col.Chesnutsをご注文いただいたお客様で、THOMASと同じレザーの組み合わせでカードケースのPLETも一緒に使用したいとのことでご注文いただきました。


(下の写真は左が新品、右が約1ヶ月使用した私物です)




ちなみにTHOMAS - Crocodile col.Chesnutsで使用しているレザーは、表面がクロコダイル チェスナッツ色。内装は、ベルギー産サドルプルアップレザーのキャメル色にオリジナルで型押しを施したレザーです。


そして、今回ご注文いただいた『PLET』は、クロコダイル チェスナッツ色のカード室とベルギー産サドルプルアップレザーのキャメル色に型押しを施していないプレーンのものを使用しています


同じ素材を使用していることで、もちろん経年変化も同じように(サドルプルアップレザーのプレーンとシボは多少異なりますが)深みが出てきます。

同じ素材で揃えると経年変化前も経年変化後も統一感は変わらずに保たれます。


そして、本来『PLET』の仕様は、片面がクロコダイルのカード室1室、もう片面は、サドルプルアップレザーでカード室3室ですが、、


<定番のPLET>




<今回のご注文>




お客様が『PLET』に入れるカードは2枚とのことでご希望により両面ともにクロコダイル レザーのカード室の贅沢な仕様に変更しました。



私も『PLET』を使用していますが、厚さが薄いこと、真ん中の仕切りにお札を入れたりするとサブウォレットとしても使えてなかなか重宝しています。










次は、先週のDiaryの最後に書かせていただいた『BUNCH』のパターンオーダーのご紹介です。



PREBLICでは、もう定番になったテーラードのレザージャケットです。


BUNCHの背中心の裏地は生地への負荷を軽減するためにプリーツが入っています。(テーラードジャケットでは伝統的な仕様です)プリーツがあることで腕を前に動かした時など生地が伸縮してくれて生地への負担を軽減させてくれるディテールです。生地より表のレザーの方が耐久性は強いのでこの仕様は生まれました。




しかもこのプリーツ(背中心)は、直線ではなくて、人間の身体の曲線に合わせた微妙なカーブをつけています。

そのカーブしている線といちご泥棒の大事なデザインをどちらも活かせるようにしたいと考え、、


微妙にカーブしたプリーツを折った時にちゃんと左右対象になるように裁断し仕立てました。そうすることで、つぎはぎ感がなくなり完成度の高い仕上がりになります。


さらに、前身頃、細腹(身体の側面部分)もよくよく見ていただくと左右対象に仕上げています。



ちなみに、この裏地は、、


ご注文いただいたお客様は、ご注文される前から『BUNCH』でのご注文は確定していたのですが、裏地や仕様などはなかなかお客様にとってしっくりくるものがなかったようで、いろいろと探している中でこの「William Morris」に行き着いたようです。

私は、恥ずかしながらお客様からお聞きするまでは、「William Morris」については知らなかったんですが、始めに見た時はなかなか衝撃でした。


1883年に作られたデザインで、デザイン自体に名前が付けられ、商標登録もされています。


「Strawberry Thief (いちご泥棒)」という名前が付けられています。

初めお客様からWilliam Morrisの『いちご泥棒』の生地を裏地にして欲しいとお電話をいただいた時は、人間がいちごを盗んでいるデザインなのかな?と思いきや、ツグミという小鳥がいちごを盗み食いしているものでした。


少し偉そうな言い方になってしまうかもしれませんが、すごく絶妙なご選択だと思いました。レザージャケットの裏地にするには、良い意味で際どさのあるデザインだと感じました。


レザージャケットは、一般的にはやっぱりハードな印象があると思います。そんなハードな印象のあるレザーに、この少し可愛げがあって遊びも効いている、しかも歴史的な奥行きも感じられるもの。始め見た第一印象の可愛さは微妙な違和感を生み、歴史的背景を知った時は説得力を感じました。

良い意味での違和感は、やっぱり人の目を惹いてくれて、歴史的な背景は人を納得させる力があります。



今回お作りさせていただき、改めて自分の脳みそには、この発想の引き出しはありませんでした。



青臭い言い方かもしれませんが、オーダーというのは、お客様の発想の引き出しと作り手の引き出しの中身がうまく組み合わさって、ある種の化学反応によってものが出来上がったりします。



今回、Diaryでご紹介した『PLET』も『BUNCH』もそんな化学反応によって出来上がりました。



ちなみに、この化学反応が起こると作り手である自分の引き出しの数は増えます。そして、その化学反応から生まれたモノを別のお客様が見て新たな発想(引き出し)が生まれます。


そうやって化学反応で生まれたデザインや仕様のものは、きまって作る難易度は高かったりします。実際作るのは大変なんですが、自分の職人的な技術力は上がり、発想の引き出しの数も増えます。


単純に技術力と発想の引き出しが増えれば作れる幅も広がり品質含め品質以外のクオリティーも高めることが出来ます。

この2つが高まるとさまざまな生活スタイルのお客様のドンピシャリにより近づけるものを作ることができます。


今日、Diaryで書かせていただいたディテールのお話は、全員には響かないと思っています。やっぱり生活スタイルが多様化していくとニッチな物事はなかなかたくさんの人に刺さるというのは難しい。ほんの一握りの人に強く刺されば良いと思っています。


そして、これから新しく作るものがあって、その新しいものの中に、前は刺さらなかった人が今日作ったものに刺さるものがあるかもしれません。





自分は、ショップセールスであると同時に1人の職人です。職人として大事だと思うのは、技術力だけでは人を喜ばせることは難しいことです。やっぱり高い技術力は、自己の満足を満たすものだけでは自分以外の人には興味が持たれない。自分以外の人が喜んでもらうために、これまで培ってきた技術力やこれまで得た引き出しは自分以外の人に使うべきなのではと思います。自分の技術力と引き出しをお客様の理想のものとを擦り合わせたり、スライドさせたりしながら、人が喜んでくれることに技術力や引き出しは使う必要があると思います。(あくまで一個人としての意見で全員が全員そうであるべきとは思いません)


自分は、これから技術力もどんどん上がっていくし、発想の引き出しもどんどん増えていきます。


伸ばせるだけ伸ばせるように毎日精進したいと思います。


長くなりましたが、最後までありがとうございます。


そして、ご注文いただいたお客様ありがとうございました。


それでは、また来週の火曜日に。