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2020/11/17 10:43

PREBLICの今村です。


前回のDiaryでご紹介したレザージャケット2着が完成しました。


まずは、ホースハイドを使用したBRANCHのパターンオーダーです。



パッと見るBRANCHのパターンオーダーに見えないかもしれませんが、土台はBRANCHです。



<定番のBRANCH>



お客様のご希望でシンプルに羽織りたいとのことで、左胸ポケットは取り外し、左右のポケットのジッパーも取り外しています。



さらにセンタージッパーは、ムシの巾の少し細いものを使用しています。

本来のBRANCHはムシの幅が約1cmのセンタージッパーが配されますが、ムシの幅が約5mmのジッパーに変更しています。

装飾的な効果もあるジッパーの幅が狭いことで全体的な金具の面積は小さくなりレザーの質感が際立つようになりシンプルな雰囲気に仕上がります。



左:約1cm巾(センタージッパー)、 真ん中:約0.5cm巾(センタージッパー)、右:約0.5cm巾(袖、ポケット用のジッパー)

今回のご注文で使用したセンタージッパーは真ん中の写真です。




それから、少し作図の技術的な話になりますが、BRANCHは元々左胸にポケットが付いています。つまり、左胸のポケットがある前提で全体のバランスを考えて左右のポケットの位置を決めています。


なので、ご注文で胸ポケットを取り外す際は、ただポケットを取り外すのではなく、残った左右のポケットの位置は左胸ポケットがない前提で微調整を加えています。




そして、ウールのブラウンチェックとも相性の良いスウェード素材の内ポケット。


シンプルな雰囲気ですが、パーソナルな1着に仕上がりました。











さて、2着目は、ディアスキンを使用したCLAMPのパターンオーダーです。

こちらも一見CLAMPには見えませんが、土台はCLAMPです




<定番のCLAMP>



CLAMPは元々スタンドカラーが付いているんですが、ご希望によりシャツカラー(PREBLICのBASE)に変更しています。


<定番のBASE>




さらに前回のDiaryで書いたように剣先は-1cm短くしています。ディアスキンはホースハイドに比べて落ち感がありしなやかな質感となっていて、襟のみは時間が経ってもハリのある印象を残したいとのご希望でした。

そこで、本来表襟の裏側には芯地を1枚のみ加えているんですが、ご希望により芯地を2枚加えています。

2枚加えることで、ハリ感が生まれて時間が経過しても長くハリを保ってくれます。

(ホースハイドは素材自体にハリ感があるので芯地はおすすめしません)



そして、センタージッパーは、ダブルジッパーでジッパーのムシの幅は約1cm幅(写真左)のものに変更しています。

ちなみに本来のCLAMPは、約5mm幅(写真真ん中)のジッパーが付きます。




他にも袖口と左右ポケットのジッパーは取り外しています。



お客様が、PREBLICのTHOMAS-Crocodileをご使用していただいており内ポケットに余裕を持って入れられるようにポケット口を1.5cm長くしています。



2着ともにお客様のご希望、時代背景、構造上の問題を会話によって探り出していきました。

オーダーというのは、会話することでお客様のご希望をお聞きし作り手だけでは決して気付けないことだったり、逆に自分がこれまで作ってきたレザージャケットのディテールや製作工程がヒントになって新しい発見になったりします。会話によって「気付き」が生まれ、そのいくつかの「気付き」でレザージャケット一着が構成されています。そうやって作られたレザージャケットはどうしたってオリジナルの一着に仕上がります。品質だったりステッチ、素材感ももちろん大事ですが、物質的価値にプラスして目に見えない価値も加わることは自分はとても価値を感じます。


改めて会話の大事さを実感することができました。


パーソナルなレザージャケットに仕上がりました。


良いジャケットを作らせていただきありがとうございます。









さて少し長くなったので、こちらのジャケットは来週のDiaryにてご紹介させていただきます。


パターンオーダー『BUNCH』です。



お客様のご希望により、1883年にイギリス人のウィリアム・モリスによって考案されたデザイン「Strawberry Thief(いちご泥棒)」を織りで表現したファブリックを裏地として使用しています。



少しだけこのデザインが生まれた経緯をお話しさせていただきます。


ウィリアム・モリスがオックスフォードシャーの田舎の家、ケルムスコット・マナーの台所の庭で果実を盗み食いしているのを見つけたことからこのデザインが生まれました。

今から137年前にイギリスで生まれたデザインですが、現代まで残る数少ないファブリックデザインです。



また来週の火曜に。