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2020/10/13 12:04

PREBLICの今村です。



ご注文分のディアスキンを使用したコートが完成しました。




「プライベートでも通勤でも着用したい」というお客様のご希望のもと製作したレザーコートです。


自分は服装は自由ですが、職場やポジションによってレザーコートが許容されるところも一定数あるんですね。


ちなみに今回お選びいただいたレザーはディアスキンです。


PREBLICのレザージャケット(コート)では、ホースハイドかディアスキンの2種類からお選びいただけます。

よくホースハイドかディアスキンを選ぶ時に「どちらが良いか?」お悩みになる方も多いので、はじめにそれぞれの特徴をお伝えします。



今回製作したレザーコートのカスタム内容は、レザーの特徴を説明した後にご紹介させていただきます。




では、はじめにホースハイド。


画像からも分かるようにワイルドな印象が強いレザーです。ホースハイド特有の質感と光沢はやはりホースハイドならではで他のレザーと比べても群を抜いて男らしさを醸し出してくれます。

繊維は密に詰まっていることから、適度な重量とハリ感があり、繊維が短いことで時間とともに細かいシワが入っていきます。

そして、「茶芯」仕上げです。下地までダークブラウンに染め上げ、表面のみブラックに染めています。買った瞬間は、ブラックですが、着用から1年後、3年後、5年後と時間が経過するごとに少しずつ表面のブラックの染料が剥がれて下地のブラウンが少しずつ表れます。

その瞬間瞬間でジャケットの印象が大きく変化します。

ホースハイド特有の細かいしわとブラックからブラウンへ色合いが移りゆくことによって見た目からも大きな変化を感じられることができ、変化の幅を楽しめるレザーだと思います。

これは、個人的にホースハイドの好きなポイントなのですが、ブラックの革靴でも、ブラウンの革靴どちらにも合わせやすいところが気に入っています。上述した通り着始めは、ブラックですが、着込むほど下地のブラウンが表れます。ブラックとブラウンの2つの色を含んでいることからブラックの革靴にもブラウンの革靴にも相性が良いです。







そして、ディアスキン。

ディアスキンの最大の良さは、軽さと素材の「落ち感」だと思います。

ホースハイドと同じ厚みでも繊維同士に空気を含んでいることで、軽くて少しもっちりとしたタッチです。

空気を含んでいることで保温性もホースハイドに比べて高いです。


そして、「落ち感」が特に着心地を左右するポイントになってきます。落ち感があることで、革が身体の傾斜に沿ってくれます。ジャケットの着心地は、肩への触れる面積が多ければ多い程重さを分散してくれて軽い着心地を実現してくれます。

そしてこちらは、あまり知られていませんがディアスキンは耐久性がとても高いレザーです。繊維が縦横、斜めにも通っているため特に引き裂きに強いです。

見た目の特徴は、ディアスキン特有のシボがあります。染めは、下地までブラックに染め上げていることで、時間が経過してもブラックのままです。

ホースハイドに比べて経年変化の幅は狭いのですが、着始めた時の印象を長く保ってくれます。レザージャケット(コート)に対して着心地や軽さを重点に置かれている方におすすめです


着用写真はディアスキンのロイヤル ネイビー色です。






さて、今回のレザーコートのカスタム内容をご紹介させていただきます。

使用したレザーは、しなやかさを持ったディアスキンです。




「プライベートでも通勤でも着用したい」



とのことで通勤で着用するスーツのジャケットの上からでも羽織れるような袖周りに設計しています。それから、中に着用したジャケットの裾が見えないような着丈にするためにこの長さに設定しました。

実際にお客様の仮縫いチェックの際に、このコートを着用する時に中に実際に着用するジャケットとセーターをご用意いただき確実な寸法を割り出しています。






冬場などはジッパーを閉めて着用することも多いとのことで、運動量と耐久性を考慮し、ジッパーはダブルジッパーを採用しています。




ジッパーを閉めた時に下のジッパーの引き手を上げることで下の裾が開きます。裾が開くことでゆとりを確保することができて運動量を上げ、ジッパーを閉めた時に最も負荷のかかるジッパーの端の部分が、ダブルジッパーで下が開くことで負荷を分散させることができ耐久性も高くなります。





そして、裏地を見てみると花柄の裏地。お客様のご希望で「花柄の生地を裏地にしたい」とのことでしたので、こちらで特別に花柄の生地をいくつか手配し、お客様にお選びいただきました。

内ポケットは、お客様が普段からお使いの長財布の寸法に合わせたポケット口と深さにしています。





後ろ身頃を見ていただくと、ポケットが配されています。


こちらは、「トンネルポケット」と言って右と左のポケット口が繋がっています。ビンテージでも見られるディテールでバイクに乗った時に左右どちらの手からでもマップ(地図)が取り出せるようにという意味合いを込めたディテールのポケットです。





会話を通して、お客様の好みだったりライフスタイルを引き出し、形にすることで、完全なオリジナルのレザーコートが完成しました。




ご注文ありがとうございました。