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2020/08/04 11:30

PREBLICの今村です。


早くレザージャケットの着れる時期が来てほしい今日この頃です。




使用しているアイテムで経年変化したものをいくつかご紹介します。

KENT : 約1年半使用



こちらは新品の状態です。

今、改めて見返してみると印象がここまで変わっていたことに驚きました。

使用しているレザーは、オイルをたっぷり含んでいて、一度下地までダークブラウン染め上げた後に表面のみブラックに仕上げたレザーです。

オイルをたっぷり含んでいることから経年変化してもほんのりしっとりしていて、使用するたびに少しずつ下地のブラウンが覗く事で茶靴でも黒靴のどちらとも相性が良い万能なレザーです。

新品の状態も好きですが、個人的には経年変化した風合いの方が深みが出て好きです。



次はTHOMAS - Horween Shell Cordovan col.Dark Burgundy


写真左 : 新品

写真右 : 2ヶ月使用


使用とともに閉じてきました。

少しずつですが、風合いと色味にも深みが増してきました。

茶色とも黒とも互換できない本当に絶妙な色合いをしています。







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さてここ一週間で完成したものをいくつかご紹介致します。


まずはビスポークのL字ウォレットです。


お客様から、「最近財布に収納するものが少なくなったからコンパクトな財布を作って欲しい」というご依頼でした。


既にPREBLICのFIELDをお持ちの方で内装左側のカード4室ある部分を表に使用してほしいとのことでした。


<FIELD>



<FIELD内装左側>




これに加えて下記の条件3つを取り入れたものがご希望でした。



・FIELDの内装左側カード4室入る部分が表で縦横が同じ大きさ。


・コンパクトであること。


・カード4枚、お札(折り曲げて収納)、小銭をそれぞれ仕切って収納できる



この3つの条件を基に、まだお客様の頭の中にある『こんな感じの財布』というまだ形の見えないものを『輪郭がはっきりした財布』に変換していきます。


ビスポークやオーダーでのご注文では、まだピントの合っていないぼんやりとしたお客様の頭の中にあるぼんやりとした『こんな感じの財布』を会話によって少しずつピントの合わせていき『輪郭のはっきりした財布』にしていきます。


そして、会話によって輪郭が浮き彫りになったものをデザイン画に移し替えて、確認していただきました。



そしてこちらが、デザイン画のご確認後に、仮組みを製作したものです。

この仮組みでジッパーの長さが0.5cm足りないことが分かりました。

紙幣、小銭はしっかり収まります。





基本的に仮組みでは、革の厚みのチェック、仕様のチェックなどをしていきます。

そして、なんと言っても、この時に1番大事なのは、第一印象的に無理のないデザインかどうかを見ます。


この『第一印象の大事』というのは。。。


ビスポークやオーダーには陥りがちなの落とし穴のことです。


ビスポークやオーダーの大きな価値の要素に、一点物という希少価値が存在します。一つしかないので他の人と区別されることができます。

でも、ただ単純に区別されれば良いかと言えばそうでもなくて、自分が生活する上でのコミュニティー内に受け入れられる差別化でないといけないと思っています。トンチンカンな差別化では「ただの変わった人」になってしまいます。

コミュニティー内の人に良い印象を持ってもらえたり、リスペクトを持ってもらうためには、属しているコミュニティーでの流れに沿った差別化が必要だと思います。

『何か』が良い意味で少し他と違うことで人に気付いてもらえたり、意識を置いてもらうことができると思います。








そして、仮組み製作後に完成したのがこちら。

内装も全て革を貼り合わせることで、革の裏側(トコ面、スウェード面)が見えないようになっています。もちろんジッパーの長さは0.5cmプラス。


使用しているレザーは、オリジナルに型押しを施したサドルプルアップレザー(キャメル色)に、内装は国産のベジタブルタンニン鞣しです。









次は、SPRIT - Crocodileです。

今は、オンライン上ではSPRITは、サドルプルアップとホーウィン社シェルコードバンのみですが、SPRIT - Crocodileは裏定番として存在しています。SPRITで使われるクロコダイルレザーは、絶妙な大きさをしていて使用できる箇所が限られてきます。

特定箇所でないとクロコダイルレザーの大きさに収まらなかったり、なんとも言えないクロコダイルの模様でカットすることになってしまいます。

このSPRIT - Crocodileが裏定番となった理由には、そういった背景があります。




使用しているクロコダイルは、敢えて仕上げの磨きを途中で止めてもらっておりセミマット仕上げにしています。

お客様が使用するにつれ風合いと光沢が増しレザーが完成するという設計になっています。

どのレザーにも互換できないクロコダイルレザーと内装のサドルプルアップレザーがそれぞれ異なった経年変化をしてくれます。



そして、このSPRITの特徴はマチが三つ折り構造になっていることで収納するものが少なければ薄く、収納するものが多ければそれに伴いマチが伸び縮みしてくれます。画像の通りかなりの量が収納可能です。





最近、お客様とお話ししていて、すごく原始的ですが、ビスポークやオーダーというのは時代に合ってきているのかもしれないと思うようになりました。

情報の仕入れ方は、インターネットによって人の数だけ増えたように。頭に入る情報が変われば、仕事や趣味、ライフスタイルにも影響してきます。

ライフスタイルが人の数だけあるということは、人の数だけその人の『丁度良いもの』が存在していることなのかもしれません。

まだ見ぬ一人一人の『丁度良いもの』を会話によってピントを合わせて輪郭を浮き彫りにし、形あるものに変換させることができます。

その人にとってのドンピシャリを取りにいくことができるのはビスポークやオーダーならではだと思います。




ご紹介しきれなかったものはまた来週に。


それではまた火曜日に。