お客様から、Vintageのリバティーカフスを使ってレザージャケットを作りたいという話からこのシャツが生まれました。
リバティーカフスとは、写真でカフスの裏側に付いている人魚のパッチのことです。
こちらは、ディアスキンを使用したCPOシャツです。
カフスに付いた人魚のパッチは、リバティーカフスと呼ばれ、1900年代に生まれたものです。
海兵が軍服のカフスの裏にドラゴン、ピンナップガールなどをカフスの内側に縫い付け、船から降りた時と”Liberty”(自由)になった時にカフスをロールアップし楽しんだものとされています。
そうした由来から、”Liberty Cuff”と呼ばれました。
基本的にリバティーカフスは、海兵のセーラーカラーの軍服に付いているのですが、お客様から日常着として普段使いしたいことと、海兵の服という繋がりは残したいということで、海軍下士官が着用しているCPOシャツで製作することになりました。
パッチの刺繍で形作られた、人魚は、バーガンディー、イエロー、ブラック、グリーンの色合いで構成されていることから、その色を拾い上げた素材使いにすることにしました。
身頃の裏地は、ブラックのサテン、袖裏地は、ゴールドサテン(イエロー)、カフス裏と台襟の裏、裾のサイドのマチにはバーガンディーを使用しました。
さらに、襟の裏には、隠しポケットを取り付け、ジッパーの金具には、ゴールド(イエロー)を使用しています。
色を整えて上げることで、たくさんの色が使われていますが、統一感が生まれました。
こういった色を拾い上げるという考え方は、テーラーでも昔から言われていることです。革小物の色は揃えたり、ネクタイ、ソックス、チーフの色味にも統一感を持たせるたりすることと似ています。
ボタンホールは、もちろんハンドステッチで仕上げております。
CPOシャツの作図は、お客様が普段から着用されているヴィンテージから、襟、ポケットのフラップなどのシェイプ、寸法などは忠実に再現しました。
濃密なミーティングを重ねたかいもあり、お客様にも大変気に入っていただけました。