洋服文化の歴史は、ヨーロッパ、アメリカなどに比べると日本はどうしても歴史が浅いと感じます。
元々、洋服という文字から分かるように「洋」という漢字が入っており、西洋から発祥発展した衣服です。
外国の方とお話をする機会や日本の洋服を見てみると、日本人の服作りの強みは、大きく2つあるのではと感じています。
一つは、日本人が世界の服を独自の解釈で取り入れ、それらを組み合わせ、編集し再構築する力。
先祖代々伝わり、そして、その国の気候、生活文化によって発展した衣服は、やはりその国の人達が1番似合い、理解も深いと思います。
ただ、そういった海外の概念を日本人が独自に解釈し、日本人のきめ細やかさや、繊細な手仕事、勤勉さから再構築したものは、唯一無二だと感じます。再構築した新しさと、どこか昔から馴染みある空気を纏うことで、世界の人が見た時に、どこか懐かしさと新しさ感じられるものになるのではと思います。
2つめは、特に素材に力を注ぐことが大きいと感じます。
日本には、古くから和服が存在します。西洋の曲線で形成されたものとは違い、型紙では基本的に直線で形成され、衣服を身体の真ん中で固定する帯も直線で形成されています。
和服のシルエットやデザインだけで言うと、違う体型の人が着用してもほとんど差異はありません。
「和服の中で区別するものとは?」
素材、布地の織り方、染め、柄にあると考察します。
シルエットで大きな違いがないことから、素材へ対しての高いこだわりが日本人にはDNA的に備わっているんだと思います。
特に、メンズの衣服、持ち物は、日本の和服でも、洋服でもデザインが大きく華美なものは現代まで残っているものはほとんどありません。
1つは、日本独自の再構築
2つめは、素材の良し悪し
これらの2つを満たし、
手間と時間はかかりますが、技術の進歩による改良を、時代に合わせて繰り返すことこそが大きな強みになると感じます。