1年前には、出来なかったことが少しずつですが、出来ることが確実に増えてきました。
自分の技術的なものも含め、アイディアの幅も広がってきたからだと感じています。
語弊を恐れずに言うと、お客様に技術面はもちろん、アイディアまで教えていただきました。
レザージャケットや革小物では、既製品、パターンオーダー(セミオーダー)、ビスポークオーダー(フルオーダー)の基本的に3種類の商品を取り扱っています。
既製品は、PREBLICで定番で販売しており、在庫があればその場でお買い上げいただけます。
パターンオーダーは、既製品を基にお客様の体型や好みに合わせて寸法や仕様の変更し既成品からオリジナルをお作り致します。
そして、ビスポークオーダーは、お客様と話し合いを重ね、その人だけのデザイン、仕様で完全なるオリジナルをお作り致します。
特にパターンオーダー、ビスポークオーダーでは、お客様のご要望でやった経験がないは別にして、まずは構造上可能か不可能かどうかを基準にオーダーの話し合いは進んでいきます。
市場には存在しない痒いところに手が届くようなものから、比較的に明確なイメージがある方がパターンオーダーやビスポークオーダーでお作りさせていただくことが多いです。
そういった方は、レザージャケットで言えば、3着以上、革小物もたくさん使用してきた方が多く、自分の持っているものから、「内ポケットの位置が胸に当たるから数センチ下げたい」「襟の形がもう少し小さして欲しい」「スタッズを打つ」「ここのパーツをクロコダイルにしてほしい」など具体的なイメージからオーダーいただくことが多いです。
ただそういった方のオーダーは作るのは非常に難しいです。PREBLICでは、基本的に構造上可能で耐久性に問題なければ出来る限りお受けさせていただいています。
そういった方のご要望にお応えしていく中で、自分の人生では一生出会うことのない引き出しをいただきます。
自分一人だけで得ることの出来る引き出しには限りがあると思っています。
人間の好みや癖は基本的に変わらず、ルーティンが変わらないので技術面は高くなりますが、そこからはあまり新しいアイディアの引き出しは生まれません。
自己の満足の技術革新よりも、自分以外の相手を考えた技術革新は、質が異なるように思います。
違うルーティンや好みの方とお会いすることで、自分の中の癖や習性に多少なりとも変化が生まれることで新しいアイディアや新しい技術に繋がります。
そうやって、お一人ずつその時に出来る限り最大限を努めさせていただくことで、自分の引き出しが少しずつ増えていきました。
デザインや形を具体的に言語化するのは難しいですが、相手の方が何を意図してお話しされているのかの根本を探ることで、手の届きそうで届かなかった痒い部分が見えてきます。
その痒い部分を今まで蓄積してきた引き出しからベストなものを取り出し別の引き出しと組み合わせたりすることで新しいアイディアをご提案させていただきます。
全員の生活のルーティンが異なると言うことは、いくら気の合う同士でも本来は好みは確実に異なります。
そういったたくさんの方にご対応させていただくためには、技術面の引き出しとアイディアの引き出しは多いに越したことはないかと思います。
相手に最も良いものを、たくさんの引き出しからベストを選び、そして組み合わせることが大事かと思います。