「ものづくりは、自己満足の世界からいつ解き放たれるかにかかっている」
これから書くことは、音楽を作る人、料理を作る人、映像を作る人など何かを作ってそれを誰かに届ける人の大半の方に言えることだと思います。
商品を1つ産み出すためには、たくさんの時間と労力がかかります。
たくさん悩み何時間もかけ、思い入れもでてくると、作った側は「これは絶対に良いものだ」と思い込みたい節があります。
自分が、たくさん時間をかけ愛着のあるものは最高だと思っても他の人もそう思うとは限らない。さらに押し付けてしまうのは、もっと良くない。
「お前が、何時間どれだけ頑張ろうがどれだけ悩もうが、それを使う人や受け取る側は一切関係ない」
基本的には、良いか悪いか、面白いか面白くないか、カッコいいかカッコ悪いか、感動するか意識すらされないか。
イギリス在住時に、「結果(完成品)より過程の方が大事」という言葉をもらいました。
私もレザーの分野以外のほとんどは、受け手になり、基本過程は知らなくて良いです。
(もちろん、ものすごく好きなことや人は別です)
基本的に受け手は、結果(完成品)のみ気にします。私もそうです。でも、作り手側は、たとえ誰に気付かれなくとも、過程を大事にし結果(完成品)を生み出さなくてはなりません。
なぜこれを作るのか、どうして作るのかの過程を踏まえないことには、良い結果(完成品)は生まれにくいです。仮にこの過程を踏まえずたまたまに生まれたとしても長続きしない。
服や持ち物を自ら選び、自分の居心地を良くし、自信を持てるようにする。
自分は、レザーを纏うと自信が付きます。気に入った革小物を持つと気持ちが上がり、心が強く保たれます。大袈裟だと思われそうですが事実です。
PREBLICで作るものは、最低限生活する上で特に必要のないものです。
でも、生きる上で最低限に必要のないものをどれだけ楽しめるかが人の豊かさであると感じます。
豊かさとは、遊び心を持つということだと思います。
これは、人間だけが持つ唯一の感覚です。
動物か人間かを大きく分けるところ。