「細かいディテールの集合体でものは作られる」
レザージャケット用のジッパーを作りました。
文字のデザイン、文字の太さ、ジャケットにこのジッパーが付いた時を幾度となく想像しながらやっと完成させることができました。
たくさんあるブランドでもなかなかオリジナルのブランド名の入ったジッパーを使っているところは少ないです。
その理由は、企画する商品が変わることで、そのジッパーが使われなくなるリスクがあり、そして、コストが思った以上にかかることが大きいです。
正直作る前は、「ジッパーをオリジナルにしたところでどれだけの違いがあるだろうか?誰も気にも止めないのではないだろうか?」という弱気な考えが、思った以上にコストがかかることで自分の選択の迷いに拍車をかけていました。
PREBLICというものをよりよいものしていくために、自分自身もPREBLICに対して誇りを持てるものにするために作ることを選択しました。
行動は自信に繋がり、その自信は姿勢と言葉に表れると思っています。
そして、その姿勢と言葉は人に伝わります。
たかがジッパーですが、されどジッパーです。
ジャケットを着る時、ジャケットをハンガーラックに掛ける時、寒くて袖のジッパーを閉める時などジッパーは必ずといっていいほどたくさん手に触れ視界に入るものです。
メンズの服はシンプルであるがゆえに一つ一つのディテールが際立ちます。他のブランドのジャケットと区別してもらうために、PREBLICにしかないものを作るために作りました。
シンプルなデザインのどこに価値を見出してもらえるかと考え、自分の直感を信じてみることにしました。
それぞれのデザインや文字の意味合いは、
“P PREBLIC”の刻印のジッパーは、センタージッパー(前身頃)です。BRANCH,Ladies BRANCH,BASEで定番で使われます。大ぶりなので、ライダースジャケットらしいモダンな印象を与えてくれます。
“PREBLIC”の刻印のジッパーもセンタージッパー(前身頃)です。STAND,CRAMP,BASE Classic,STROKEで定番に使われます。少し小ぶりなことからクラシカルな印象を与えてくれます。
“P”の刻印のジッパーはポケットと袖口につくジッパーです。”P”はもちろんPREBLICの”P”です。
3つのジッパーは形、大きさが違い、限られたスペースの中に合うデザイン、そしてそれぞれ違う3種類のジッパーに統一制を持たせたいと思いました。
”P”はオールドイングリッシュスクリプト(筆記体)と呼ばれる古くから伝わるフォントがデザインソースとなっています。
繊細でそれでいて強さも感じるフォントです。
“PREBLIC”の文字は、たくさんの方に受け入れられるようなスタンダードな文字にこだわりました。文字が太すぎるとカジュアルな印象が強くなってしまい、逆に細すぎると繊細ですが、主張の弱いものになってしまいます。
特に文字の太さを意識しデザインを決めました。
そして、持ち手のレザー部分には念引きと呼ばれるラインを加えています。この一手間が、レザージャケットにさらなる品格を与えてくれます。
写真左が念引きなし、写真右が念引きありです。
この念引きを加えると影が生まれジャケットに奥行きが生まれます。PREBLICでは定番の革小物でも念引きを加えており、そこからヒントを得てジャケットにも反映させました。
ヴィンテージのレザージャケットにはないディテールですが、クラシカルな技法からPREBLICのレザージャケットにもよく合います。
本日以降にご注文いただいたレザージャケットにはこれらのジッパーが付きます。