新しいWALLETのVENTSのサンプルが完成しました。
表には、ホーウィン社のシェルコードバン、内装には名門ワインハイマー社のワープロラックスのレザーを使用しております。
表のステッチはダークブラウンで、念引きと呼ばれるラインをさらに加えることで高級感と奥行きが生まれます。
シェルコードバンの癖になりそうなしっとりとした肌ざわりが特徴で、内側にたっぷりと含まれたオイルと外からは人の手から伝わる油分でトロっとした光沢が生まれます。言い換えるとコーティングされたような透明感のある風合いになります。
内装には名門のドイツのワインハイマー社のワープロラックスというレザーを使用しております。もともとはカールフロイデンブルグ社という150年続いたタンナーがありましたが、レザー部門を撤退したことから、元々のカールフロイデンブルグ社の職人たちが新たに立ち上げたのがこのワインハイマー社です。
150年もの技術継承されたレザーは、他の類似品とは似ても似つかないものがあります。
この独特のシボ感から傷も目立ちにくく、"影"ができることからレザー本来の色合いもさらに深みが増します。
表のシェルコードバンとは、相反してこちらはクロム鞣しのレザーです。ドイツ、フランスでは得意とされるクロム鞣しで、ベジタブルタンニン鞣しに比べて経年変化しにくいと言われておりますが、言い換えれば初めのこの印象を長く保ってくれます。
表のシェルコードバンと内装ワープロラックスでメリハリをつけたかったこともあり、この組み合わせにしました。
こちらの写真は、札室です。毎回の出し入れのスムーズさとカード入れなどを仕立てる際にステッチが裏に出てしまうのを見えなくするために、一枚薄く漉いたレザーを貼り合わせております。この貼り合わせのレザーは、世界的にも有名な栃木レザーのベジタブルタンニン鞣しのレザーを使用しております。
カード入れの口部分にも念引き(ライン)を入れることで、引き締まった印象になります。
さらにカード入れの口部分一枚一枚を丁寧にコバ処理を施すことで、毎回のカードの出し入れでのレザーの毛羽立ちも防いでくれます。
PREBLICでは定番のマットゴールドの少し小ぶりな箔押しは開けた時にここに視点が集まることでまとまった印象になります。
小銭入れにはマチがつくことで収納性もあり、このイタリア製のボタンの佇まいが上品な印象を与えてくれます。
ここのボタンを作るメーカーは、1530年にドイツで創業し、初めて縫い付け式のボタンを作ったことでも有名です。
現在は、イタリアにて製造しております。
このオス部分の適度な重厚感と洗練されたシェイプに惹かれこのボタンを採用しました。
こちらとは別に表部分をベルギーのサドルプルアップレザーというレザーでも製作しましたのでまたご紹介させていただきます。