これから作る革小物のレザーです。ドイツの革でこの革の鞣し技術は150年もの歴史があります。
このレザーを選んだ理由はこの独特のシボ感です。この細かいシボから浮き上がる影とハリ感が表現したいものにぴったりでした。メンズの服や持ち物はレディースに比べ制限があるので、形やシルエットは昔からシンプルで現在もそういったものが多いように思います。以前にDIARYでもお話しした "影" を革小物でも表現したいと思ったのも理由の一つです。
影があることでシンプルで平面なものでも立体感が生まれ色合いにも深みが増します。
表でも十分に存在感のある革なのですが、あえて内側の革に使用します。
この凹凸のあるレザーから傷も目立ちにくく使い始めのこの独特な雰囲気を長く保ってくれます。
経年変化というよりもへたりにくいということからも内側の革に使いたいと思った理由です。
ウォレットや革小物を開いた時や、閉じた状態からでもかすかに覗くことができます。
レザージャケットの裏地のように、自分以外の人は滅多に見る機会はありませんが、そういったところにまで意識を持つことはどこか余裕を感じることができたり、奥行きを感じてしまうのは自分だけでしょうか。
表の革はまたご紹介したいと思います。オイルを革の内側からたっぷりを染み込ませた革とエキゾチックレザーを使用します。
このレザーに合わせ、ジッパー、ボタンも最大限良さが引き出せるものを選びました。
まだ試作段階で形出しの段階ですが、レザーの違いで仕立て方や縫製処理が変化することで新しい技術が必要になり毎日机に向き合っています。持った人が半歩でも先に進めるようなものづくりを。